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青と緑
大抵のことについて、荒北は福富が「やめろ」と言ったことはやめるし「やれ」と言ったことには従うことにしている。別にそれは彼が判断基準を福富に全部預けてしまっているとかそういったことではなくて、ただ単に荒北にとってそれが最善だろうと思えるからなのだった。
「それにしたって」
呆れたように東堂が頬杖をついたまま苦笑する。テーブルを挟んだ向こう側、ペットボトルを持ったままぶすくれた顔をしている男に彼が向ける視線は生温いもので、見られている荒北にとっては非常に居心地の悪いものだった。
「何か文句あんのかよ」
「文句は無いがね。しかしいくらなんでも、と俺は思うのだよ」
「っせ、お前にゃわかんねえよ」
荒北はそう言って手元のペットボトルを机の上に置いた。中身のほとんど入っていないボトルがこん、と軽い音を立てる。緑色のパッケージ。それはいつも彼が好んで飲む青い缶の炭酸飲料ではなく、浅い色合いの緑茶であった。
東堂が微妙な表情をしているのはそのボトルのせいだった。
最近荒北が炭酸飲料ではなくお茶ばかり飲んでいることにふと気付いてしまったのが運の尽きで、その所以を尋ねたのが決定的にいけなかったのだ。
荒北曰くは非常にシンプルで「福ちゃんがあんまり飲むなって言うから」とただそれだけである。
「福にその理由は聞いたのか」
「別にィ。福ちゃんが言ってんだからそうなんだろ」
「お前はそれでいいと」
「俺がそうしてえからしてんだよ」
全く呆れた。東堂は言葉も無くしてただ荒北を見つめる。当の本人は何も不思議なことなんてないとしれっとした表情をしているが、世間一般から見ればそれが友情というものとはずれていると彼らは知っているのだろうか。
「荒北」
ふと呼ぶ声がしたのに振り向けば、見慣れた金髪が立っている。その手に握られている緑のボトルを見て東堂がふと思い出したのは「骨の髄まで」というありきたりな独占欲についての一節だった。
「それにしたって」
呆れたように東堂が頬杖をついたまま苦笑する。テーブルを挟んだ向こう側、ペットボトルを持ったままぶすくれた顔をしている男に彼が向ける視線は生温いもので、見られている荒北にとっては非常に居心地の悪いものだった。
「何か文句あんのかよ」
「文句は無いがね。しかしいくらなんでも、と俺は思うのだよ」
「っせ、お前にゃわかんねえよ」
荒北はそう言って手元のペットボトルを机の上に置いた。中身のほとんど入っていないボトルがこん、と軽い音を立てる。緑色のパッケージ。それはいつも彼が好んで飲む青い缶の炭酸飲料ではなく、浅い色合いの緑茶であった。
東堂が微妙な表情をしているのはそのボトルのせいだった。
最近荒北が炭酸飲料ではなくお茶ばかり飲んでいることにふと気付いてしまったのが運の尽きで、その所以を尋ねたのが決定的にいけなかったのだ。
荒北曰くは非常にシンプルで「福ちゃんがあんまり飲むなって言うから」とただそれだけである。
「福にその理由は聞いたのか」
「別にィ。福ちゃんが言ってんだからそうなんだろ」
「お前はそれでいいと」
「俺がそうしてえからしてんだよ」
全く呆れた。東堂は言葉も無くしてただ荒北を見つめる。当の本人は何も不思議なことなんてないとしれっとした表情をしているが、世間一般から見ればそれが友情というものとはずれていると彼らは知っているのだろうか。
「荒北」
ふと呼ぶ声がしたのに振り向けば、見慣れた金髪が立っている。その手に握られている緑のボトルを見て東堂がふと思い出したのは「骨の髄まで」というありきたりな独占欲についての一節だった。
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