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ミイラ取りがミイラ
ぬるりとした感触の眠りから目をさましてはみたがどうにも瞼が開ききらない。
二つに折り畳んで枕代わりにしていた座布団には自分の涎が染み込んでいるのが見えて、そこでようやくしまったと俺は身体を起こしたのだった。
「シズちゃんも寝てるじゃないか。」
「うるせえ。大体お前が気持ちよさそうに寝てるから、」
「自分の睡眠のことまで俺のせいにしないでよねえ。あ、ビール飲む?」
「まだ昼間だろ。」
「もう夕方だよ。」
携帯電話を見てみれば本当にもう夕方と言っていい時間で、ああ折角の休日だったのにと俺はちょっとだけ残念に思う。しかしながらこうやってゆっくりするのも悪くないんじゃないかと思う辺り毒されているのかもしれない。
臨也はしばらくしばらく携帯電話をいじっていたが、俺が寝入るより前からずっとこたつでうとうとしていたから喉が渇いているのだろう、ようやく意を決したように立ち上がり冷蔵庫へと向かっていった。
寒い寒いと小さく文句を言いながら。500ミリリットルの缶を二つとそれと適当なつまみを持って臨也が戻ってくる。今のこいつの姿を見て、誰が悪役だとか黒幕だとかそんな大したものだと思うだろうか。
タバコの箱に手を伸ばした俺にライターを手渡しながら臨也が笑う。
「君さ、今『喧嘩なんかしたことない』みたいな顔してるよ。」
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